株式会社EPNextS

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EPNextSグループと国立がん研究センターとの共同研究による
CIRCULATE-Japan GALAXY試験における成果がNature Medicine誌で発表

2024年9月18日
株式会社EPNextS

株式会社EPNextS(東京都新宿区、代表取締役:長岡 達磨、以下「EPN」)を中核会社とするEPNextSグループは、国立研究開発法人国立がん研究センター(東京都中央区、理事長:中釜 斉、以下「国立がん研究センター」)と“ゲノム解析による新たながんの治療に関する研究についての共同研究基本契約”を2020年1月に締結し、その第一弾として同年5月よりCIRCULATE-Japan*1における最初の共同研究である「根治的外科治療可能な結腸・直腸がん患者を対象とした臨床試験(GALAXY試験)」を国立研究開発法人国立がん研究センター東病院(千葉県柏市、病院長:土井 俊彦、以下「国立がん研究センター東病院」)と実施してまいりました。
GALAXY試験に参加した2,240名の大腸がん患者さんを対象にリキッドバイオプシー*2の結果とがんの再発リスクや生存期間を解析した結果、手術後の血液検査で血液循環腫瘍ctDNA*3(circulating tumor DNA)が検出された患者さんは、検出されない患者さんに比べ、がんが再発する可能性が高く、生存期間も短縮することが判明いたしました。また、ctDNAが検出された患者さんでも術後補助化学療法を受け、ctDNAが消失した場合は再発する可能性が低下することが明らかになりました。
この研究結果により、ctDNAを調べることが大腸がんの再発リスクや生存期間を予測し、治療方針の決定に役立つことが科学的に示されました。本研究成果は、「Nature Medicine*4」に日本時間2024年9月16日付で掲載され、共著者として、EPNextSグループが記載されました。
これまで共同で実施してきたGALAXY試験の成果が、世界的に高い評価を受けるトップジャーナルであるNature Medicineに掲載されたことは、EPNextSグループにとっても非常に名誉なことです。今後もアカデミアとの協働により、がん治療における新たな知見やエビデンス創出に取り組んでまいります。

論文情報
雑誌名:Nature Medicine
タイトル:ctDNA-based molecular residual disease and survival in resectable colorectal caner
著者:Yoshiaki Nakamura†, Jun Watanabe†, Naoya Akazawa, Keiji Hirata, Kozo Kataoka, Mitsuru Yokota, Kentaro Kato, Masahito Kotaka, Yoshinori Kagawa, Kun-Huei Yeh, Saori Mishima, Hiroki Yukami, Koji Ando, Masaaki Miyo, Toshihiro Misumi, Kentaro Yamazaki, Hiromichi Ebi, Kenji Okita, Atsushi Hamabe, Hiroki Sokuoka, Satoshi Kobayashi**, George Laliotis, Vasily N. Aushev, Shruti Sharma, Adham Jurdi, Minetta C. Liu, Alexey Aleshin, Matthew Rabinowitz, Hideaki Bando, Hiroya Taniguchi, Ichiro Takemasa, Takeshi Kato, Daisuke Kotani, Masaki Mori, Takayuki Yoshino*, Eiji Oki*
(†第一著者と同等の寄与, *責任著者, **イーピーエス株式会社 リアルワールドエビデンス事業本部 臨床研究センター 所属)
DOI:10.1038/s41591-024-03254-6
掲載日:2024年9月16日10時(ロンドン時間)
URL:https://www.nature.com/articles/s41591-024-03254-6

●関連プレスリリース

●参考プレスリリース

■株式会社EPNextS
株式会社EPNextSは、EPSグループの中核事業(CRO*5、SMO*6、CSO*7)を統括するヘルスケア・ソリューション・プロバイダーです。1991年に創業したCRO分野のパイオニアであるイーピーエス株式会社、SMO分野で最大のシェアを誇る株式会社EPLink、CSO分野でマルチサービスを展開する株式会社EPファーマラインのほか、食品特化型CROなども傘下におさめております。各社の人材・知見を結集し、グループ社員約7千人の総合力でヘルスケア領域の新しいビジネスソリューションを提供します。

■国立研究開発法人国立がん研究センター東病院
国⽴がん研究センター東病院では、すべての患者さんに世界レベルのがん医療を提供するため、様々な職種からなる「多職種チーム」で患者さんにとってベストの治療を選択し、きめ細かなサポートを⾏っています。ロボット⽀援⼿術や陽⼦線をはじめ、最新の医療機器を有し、内視鏡治療や体への負担が少ない低侵襲⼿術、また、薬物療法や数多くの治験に取り組んでいます。

    用語解説
  • *1 CIRCULATE-Japan(サーキュレート ジャパン):大腸がんの外科治療を受ける患者さんの術後再発リスクを最新のリキッドバイオプシー解析技術を用いて高精度に推定し、より適切な医療を提供することを目的としたプロジェクト。国内外152施設(うち海外1施設を含む)が参加する。大規模な医師主導国際共同臨床試験(GALAXY、VEGA、ALTAIR)から構成され、GALAXY試験は基幹となる試験となります。

    CIRCULATE-Japanロゴ
  • *2 リキッドバイオプシー:患者さんの血液を用いてがんのゲノム異常を検出する検査。血液検査で繰り返し測定可能であるため、身体に負担が少なく、がんの再発をより早期に発見できることが期待されます。
  • *3 血中循環腫瘍DNA:血液中にごく微量に存在するがん由来のDNA
  • *4 Nature Medicine:Nature Medicineは、自然科学分野のトップジャーナルである「Nature」シリーズの一部で、医学と関連分野における最先端の研究を扱う学術雑誌です。1995年に創刊され、臨床研究、生物医学、治療法の開発、医療技術など、幅広いトピックに関する高品質な研究論文が掲載されています。査読付きであり、医学界で非常に高い評価を受けていることが特徴です。
  • *5 CRO(Contract Research Organization):医薬品開発業務受託機関
  • *6 SMO(Site Management Organization):治験施設支援機関
  • *7 CSO(Contract Sales Organization):医薬品販売業務受託機関

【本件に関するお問い合わせ先】

株式会社EPNextS 総合企画センター 第一室
Email:epn-cco@eps.co.jp

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